コンク・パール:カリブの巻貝が産んだトロピカル・ピンクと火焔模様

その美しいトロピカルピンクは、内側がきれいなピンク色をしたカリブ海の巻き貝から採れる。

コンク・パール基礎知識と選び方

コンク・パール　CONCH　PEARL [有機質素材]

産地　　カリブ海沿岸　西インド諸島

硬度　　３．５～４

真珠を生育する２枚貝と違い、その貝は食用の巻貝である。

巻貝だから、真珠のように核を入れて養殖できるはずはない。

このコンク貝の中に偶然入り込んだ異物を貝が包み込み、コンクパールがつくられる。

真珠は、貝の外套膜（貝殻を作る器官・貝の内臓を覆っている膜）が核を包み、何千という真珠層を形成するが、

コンク・パールはその外套膜がないため真珠層がない。

パールといわれても真珠ではないのだ。

結晶構造ももちろん違う。

真珠は炭酸カルシウムの薄い石版状の結晶（アラゴナイト結晶）が、タイルを積み重ねたように重なって真珠層を形成しているのに対し、

コンク・パールは、同じく薄い石版が次々と斜めに折り重なり、等間隔で列を成している。

その列が互い違いに向いているためこの結晶構造は交差板構造といわれ、

それがコンクパールの燃える炎のような模様をつくり、陶器のような滑らかな肌質とシルクのような光沢を生んでいる。

ディカプリオ演じる主人公ギャッツビーの悲願の女性デージー。

彼女が若い少女時代の回想シーンでつけていたのがコンクパールのピアスだった。

そのピンク色が若さを更に演出していた。

コンクパールにもオレンジ色がある。

「メロ・パール」

南シナ海沿岸のハルカゼヤシ貝から採れる。

ベトナム旧王室の王妃たちに愛されたパールである。

気を付けたいのは、ピンク貝の類似品もコンクパールとして出回っていることである。

見分け方は火焔模様。

類似品はピンク貝の色の濃い部分を球状に研磨してあるため色も美しいが、火焔模様は見られない。

故に、コンクパールを選ぶなら、火焔模様も基準に入れておきたい。

その美しい色をした貝はカメオとしても細工される。

柔らかな優しいピンクのグラデーションがとても美しい。