赤珊瑚のジュエリーコーディネート術-浅丘ルリ子に学ぶ

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宝石と女たち

 

出演者が大御所だらけだったお昼の人気ドラマ「やすらぎの郷」のメインが集うイブイブの夜。

ホスト役の古館一郎の額に汗をにじませる様子が、面白かった。

そして、その夜、一番の存在感を放っていたのが大女優、浅丘ルリ子。
 

 
黒のレースのハイネックをのぞかせた赤のコート。

主役ならではのその赤色に(ドラマの主役は石坂浩二)合わせた大きな赤珊瑚。

流石なセンスが光っている。

大きめの色石は派手になりがちで、それだけで組み合わせが難しかったりする。

無色のダイヤモンドジュエリーが好まれるのは、どんな服の色にも合わせやすいからである。

だが、かの人は、いとも簡単に、自然につけこなしていた。

大き目の色石を服の色に合わせるという技

敢えて指輪を主役とせず、全体と調和させ、馴染ませれば、指輪はサポーターという真の役目を発揮して、その人の美しさを際立たせる。

さらに、指輪にとって一番の安全圏かつエレガンス圏である薬指につけることはせず、ハンサム要員人差し指にインデックスリングとしてつけ、

インデックスリングに一番合う小指にピンキーリングという小粋なセンスを見せる。

加えて、視聴者の目を楽しませようとする思惑で彩られたクリスマスカラーのネイル。

上級者である。
 

珊瑚のペンダントの重みに耐える、2種のチェーンで編まれたゴールドのスクリューネックレスも、黒の上で硬質な輝きを放っている。

そして、さりげなく、本当にさりげなく、添えられたジュエリーの宣伝広告にあるような仕草。

 

 

流石ベテラン女優。魅せ方を知っている。

ちなみにこのポーズは、ジュエリーを購入する際のお手本となる。

自分の顔にさりげなく手を添え、鏡に映せば、指輪との相性を見ることができるのだ。

ジュエリーはいろんな意味で、女性のサポーターである。

そして高級な色石やダイヤ、洗練された装飾といった力強いサポーターを真のサポーターとして扱えるのは、時間の経過とともに増やしてきた内側の美だ。
 

「これから、第二の人生を何年生きれるか分かりませんが、

こちらが(石坂浩二)そう望むのであれば、

30年自由に仕事をさせてくださったという、今までのご恩返しと申しますか」
 

17年前の離婚会見。

慈しみ深く、悠然とした元妻の言葉に、フリかどうかは分からないけど目頭を押さえる石坂浩二。

ジタバタせずに潔く、感謝という最上の美徳をもって、愛する人に自由を与えたかの人は、77歳という高齢にして今もなお一層の輝きを放っている。

 
さて、珊瑚の最上はノーブル・レッド(血赤)

珊瑚という宝石は、様々な心の葛藤を調和し、新たなものを再形成するという強い創造力、形成力を秘めている。

 

 

「えらいわね、ハッピー。忘れるのよ、忘れるのが一番。忘れて女は女になっていくのよ」

ドラマやすらぎの郷で、傷ついた若い職員に向けたお嬢(浅丘ルリ子)のセリフである。

幸せを失ったなら、また新しく作り上げればいいだけのこと。

強く、時に可愛らしさも見せる大女優に、溶け込むかのように馴染んだ赤珊瑚。

宝石は女の親友

宝石は、この夜の浅丘ルリ子が見せてくれた、年齢を重ねることの楽しみを教えてくれる。

ちなみに、年齢を重ねた人が赤珊瑚をつけると若く見える。

これは、真紅の珊瑚が、体内の血行に対する強壮剤となるからである。

 

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