ジャクリーヌ・オナシス-大統領未亡人の心の穴を埋めたのは数々の宝石だった

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宝石と女たち

 

ジョンFケネディ、アメリカ合衆国大統領の暗殺事件を知らない人はいないだろう。

50年経つ今でも大統領暗殺の瞬間は時々テレビで放送される。

ジャクリーヌ。

元アメリカ合衆国大統領夫人

 
Jackie: The Clothes of Camelot (English Edition)
 

1963年テキサス州ダラス。

事件はパレードの最中に起こった。

オープンカーに乗った大統領は銃弾に頭を撃ちぬかれ、隣に座っていたジャクリーヌのスーツは夫の血で染められた。

人々の目に焼きついたピンクの血塗られたシャネルスーツ。

目の前で夫を殺された悲劇のファーストレディは、アメリカ国民の悲しみの象徴となった。

 

 

ジャッキーという愛称で親しまれたフランス貴族の血を引く淑女。

その「淑女」は大統領暗殺から5年後に「高級娼婦」へと失墜する。

ジャクリーヌは突如世界的大富豪ギリシャの海運王オナシスと再婚したのだ。

ジャクリーヌ39歳、オナシス62歳である。

当然国民から誹謗嘲笑を受け糾弾されることとなった。
 

ジャクリーヌ・オナシスとなった彼女の生活は贅沢三昧の日々だった。

趣味の室内装飾、ショッピング、そして宝石。

オナシスが彼女に買い与えた宝石は数え切れないほどで、それは3年で10億円以上という桁外れの金額だったという。

有名なのはジャクリーヌ40歳の誕生日に贈られた40カラットのダイヤの指輪。

彼女の贅沢ぶりはホワイトハウスの住人だった頃から表れている。

ジャクリーヌの月に使う衣装代は当時のアメリカ人ビジネスマンの年俸と変わらないほどだったのだ。
 

オナシスは人生の終焉期に自分の過ちにきづく。

ジャクリーヌは心の冷たい計算高い女だったようだ、と。

オナシスが病床についているときジャクリーヌはNYで遊んでいたのだ。

そしてオナシスの死後は遺族と争い、遺産の2600万ドルを手に入れた。

だがそれを責めることができるだろうか。

ジャクリーヌを選んだのはオナシスなのだ。

彼女の受けた計り知れない大きな傷と心の闇は彼女にしか分からない。

前夫の数々の浮気、ケネディ家からの圧力、政治活動からくる精神的重圧、そして目の前で起こった悲劇と孤独。

狐狩りと芸術を好んだ良家の子女には受け止められない現実だったのだ。

彼女は生涯、贅の限りをつくし、大好きな宝石に囲まれた。

心に空いた大きな穴を埋めるにはそれしかなかったのかもしれない。
 


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彼女のジャッキーという愛称はそのファッションスタイルにもつけられ、今でも女性のファッションのお手本とされている。

ファーストレディ時代のシャネルやジバンシー、ディオールといったエレガントなスーツや洗練されたドレス、ワンピース。

そして胸元に輝く連のパール。
 

 

だが彼女を見て真珠が似合うと言い難いのは、こういった背景にあるのかもしれない。

真珠は内面から溢れ出る気品を備えた女性に似合う。

痛みを昇華させ、他者への愛に変える強さ。

それは誰もが持てるものではない。

 

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