ダイヤモンドの4つの性質:宝石の王者の秘密

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ダイヤモンド性質ダイヤモンドの形成と性質

 

無色のただ硬いだけの石ダイヤモンドは、ラウンドブリリアントカットによって最高の輝きを手に入れ、一気に王者の座に登りつめた。
 
ダイヤモンド原石・ルース0.69CT
 

比類なき輝き。

だがそれはダイヤモンドが本来持つ性質があってこそ、だったのである。

 

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ダイヤモンドの4つの性質

 

1:輝き

 

ダイヤモンドは他の宝石に比べ、2.42という高い「屈折率」をもつ。
 

 

ダイヤモンドに入った光は屈折して進み、パビリオンのファセット(面)にあたって反射する。(パビリオンは反射鏡の役目)

その反射した光が別のファセットにあたり、再び反射してダイヤモンドの上部、クラウンから出て行く。

ブリリアントカットはこの光が全反射するような設計になっている。

つまりは入射光のほとんどが、反射して戻りクラウンから出て行く。

これがダイヤモンドの輝きの秘密だ。

屈折率の低い宝石ではこうはいかない。

パビリオンから光がもれてしまうからだ。そして輝きは劣ってしまう。

同じダイヤモンドでもパビリオンの角度が正しくカットされず、浅かったり深すぎたりすると光は洩れてしまい輝きは損なわれる。

ダイヤモンドの輝きの決め手はカット。

理想的カットブリリアントカットとダイヤモンドの屈折率により最高の輝きは生まれる。

 

 

2:硬さ

 

地球上で一番硬いダイヤモンド。

だがダイヤモンドはカットしなければ、いってしまえばガラス玉と変わらない。

では一番硬いダイヤモンドは何でカットされるのか。

ダイヤモンドの粉である。

ダイヤモンドの超絶な硬さは「純粋炭素の共有結合」という結晶構造によるものだが、結晶の中の方向によって硬さは違ってくる。

炭素原子の密な面の方が硬く、粗い面の方が柔らかい。

 



 

ダイヤモンドの代表的な結晶形の八面体、十二面体、六面体。
(炭素原子が密につまっている順)

八面体面が一番硬く、六面体面が柔らかい。

更に劈開。

ダイヤモンドには特別に弱い方向がある。

例えば8面体の結晶面に平行に力を加えると、比較的小さな力で割れる。
 

 

地球上で一番硬いダイヤモンドは方向によって硬さが違うから研磨できるのだ。

そしてこの研磨技術と超絶な硬度があってこそ、ブリリアントカットのファセットは限りなく平坦で、ファセット・エッジは限りなくシャープになる。

ブリリアントカットが最高の働きをするのだ。

 


 

3:新油性

 

ダイヤモンドは水をはじき油になじむ。

これも炭素原子の共有結合(一番強い結合)によるものだ。

ダイヤモンド鉱山で行われるダイヤモンドの選鉱にもこの特性は使われる。

ダイヤモンドと一緒に採れるパイロープ・ガーネットやかんらん石は水になじむ。

ダイヤモンドとこれらの鉱物と水を一緒にして、グリースを塗ったベルトの上で流すと、ダイヤモンドだけがベルトに付着し他の鉱物は流れていく。

ダイヤモンドの親油性によってダイヤモンドだけが回収されるわけだ。

皮脂も同じ。

ダイヤモンドは手で触るだけで輝きを失いやすい。

くもってみえるのは脂(あぶら)なのだ。

特に購入時より輝きが劣っている場合はパビリオン(底の部分)にほこりや油膜がついている。

中性洗剤をぬるま湯にといて歯ブラシで洗うと輝きは取り戻せる。

 

 

4:熱伝導

 

物質のなかで熱を伝えやすいのが金属で、中でも銀が代表的だが、ダイヤモンドはその銀の5倍の高さの熱の伝導性をもつ。

しかも、熱を加えたときの膨張する割合はいろいろな物質の中で最も小さい。

この性質は、半導体や人工衛星、採掘機やガラス切りなどの工業用に使う際、大きな武器となる。

実はダイヤモンドは宝石よりも工業用に多く使われてたりするのだ。

熱伝導性はダイヤモンドと人造石などの類似品との鑑別にも利用される。

簡単なのは、2つを並べて息を吹きかけると、ダイヤモンドのほうが早く曇りが消えるというもの。
 


 

ダイヤモンドはその屈折率と硬さにより最高の輝きを手に入れ、そのユニークな親油性と熱伝導性は本物である証となった。

王者の秘密がここにある。

 

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