ピクチャーメノー:自然が描いた風景画

ピクチャーメノーとは

世界でもっとも共通してみられる鉱物といえば、石英（クォーツ）である。

その石英を大まかに２つのグループに分けるとすると、「水晶」と「めのう」。

ピクチャーメノーとは、メノーの中でも、縞状構造をもつ「アゲート」を使い、その天然の縞模様に染色を施したものをいう。

自然が創り出した模様に、時間をかけて染色し、芸術作品ピクチャーメノーとして仕上げるのである。

ピクチャーメノウは、天然の模様を活かして作られる。

故に、同じ絵柄は二つと出来ない。

石と対面し、インスピレーションや想像力をもって創造するといってもいいほどの、作家の才能と技術の賜物。

その芸術作品を背景にしてしまうという贅沢さがそこにある。

金細工で縁どられたピクチャーメノウは、奥行きを感じさせ、まるで絵画を見ているような気にさせる。

そう、ピクチャーメノウは絵画なのである。

ピクチャーメノウに描かれた風景。

ある人には懐古的であり、ある人には異国情緒漂うものであり、ある人には憧れの地であり、ある人には癒しの風景。

人の思い出という記憶は、人物とともに風景をも残すもの。

いつも変わらぬあなたの愛する想い出の風景を、或いはまだ見ぬ希望の景色を、ピクチャーメノウは魅せ続けてくれるのだ。

原石を４ｍｍのスライス状に切断し、風景画になるよう縞目の部分を石取りする。

風景となる空や山をイメージし、石取りできるのは一枚のスライスから３～５枚である。

石取りしたメノーは、研磨しやすい形に切断され、小判型に研磨される。

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染色しない部分をマスキングし、１カ月ほどかけて一色を染色する。

現在ピクチャーメノーの染色は最高５色。

色を浸透させるための圧縮や鮮やかな色を定着させるための焼き上げなどを施し、研磨までの工程を含めれば、優に半年を要して出来上がる。

実に手間暇のかかった作品なのである。