ダイヤモンドは元々、その硬さ故に研磨できず、女性の装飾品としては使われていなかった。
原石や原石の面を研磨して王冠や刀の鞘に埋め込まれたのだ。
ダイヤモンドは男性の宝石だった。
最初、ダイヤモンドはインドで発見された。
その後、ペルシャのインド侵略によってヨーロッパに伝わったとされる。
ヨーロッパでダイヤモンドをカットするための粉、ダイヤモンドパウダーが使われ始めたのは、15世紀に入ってからのことだ。
それによりファセットのついたローズカットダイヤモンドが生み出された。
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王族の女性たちがつけたダイヤモンドは、無骨なダイヤモンドではなく、薔薇の蕾のダイヤモンド。
だからアンティークジュエリーには、ローズカットのダイヤモンドが使われている。
ダイヤモンドカットの歴史
最初のダイヤモンドのカットはテーブル・カット。
ダイヤモンドの結晶の中で一番柔らかい方向を研磨したスタイル。
その後、2番目に柔らかい方向を研磨したスタイルのロゼンジ・カット。
そして1520年にファセットを増やしたローズカットが発明された。
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ローズカットは薄い石(原石)の目減りを少なく輝かせるカットだが、後の17世紀に発明されたブリリアントカットに比べると輝きは劣る。
現在ダイヤモンドカットの技術は進化し続け、最高の輝きを放つまでになった。
そのブリリアント・カットによって煌めくダイヤモンドが、宝石界のトップに君臨する現代において、ローズカットのダイヤモンドは影が薄い。
曇って見える。
ダイヤモンドは、その輝きこそが魅力。
だからあえて魅力の半減するローズカットを選ぶことは少ないだろう。
だがこれこそが、中世ヨーロッパの王侯貴族たちが見ていた煌めきなのだ。
ローズカットの魅力
蝋燭の光を受けて、柔らかな輝きを放つ透明の宝石。
アンティーク好きな人の目には、とても魅力的に映るだろう。
そしてダイヤモンドも良いが、このカットと相性が良いのが色石なのである。
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19世紀後半に流行したボヘミア産のパイロープガーネットにも多用された。
現代でも、ローズカットはダイヤモンド以外の色石、ピンクのローズクォーツやブルーや白のトパーズなどにも施され、愛らしさが増しなんともロマンチックだ。
懐古的なその姿は、現代の洗練されたジュエリーの中で、凛然とその美を主張する。
ローズカットの中世の輝きは、あなたを貴婦人な気分にさせてくれるだろう。
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